ボランタリー・アクションの未来 : 障害者福祉政策における社会起業家の視点から(<特集>再論 ボランティアの未来を問う)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿ではボランタリー・アクションの未来を検討する為に、障害福祉政策における一人の社会起業家の足跡を振り返った。ベンクト・ニィリエはノーマライゼーションの原理を成文化し、当時の世界中の障害者福祉政策にパラダイムシフトをもたらした実践家である。当時、入所施設での処遇が「ノーマル」と言われ、それ以外の支援方策が考えられていなかった<制度の未成熟>状態であった。その実態を変える為に、彼は現場に何度も足を運び、その中で問題の本質を洞察し、一般市民の「ノーマル」な生活と対比するというノーマライゼーション原理の本質を思いつき、それを人々の前で語る中で結晶化し、やがて8つの原理というプロトタイプを作り、世界中に広めていった。このプロセスを複雑系モデルやU理論で再解釈することにより、社会変革をもたらした社会起業家の実践として捉えることが出来る。彼の実践の再解釈を通じて、今日の<制度の未成熟>に立ち向かうボランタリー・アクションの未来とはどのようなものであるべきか、のヒントを掴む事が出来た。
- 国際ボランティア学会の論文
著者
関連論文
- わがまちの障害福祉計画 長野県茅野市長 矢崎和広氏に聞く 市民力・地域力アップで公民協働のまちづくり
- 権利擁護
- 地域移行・地域生活の権利--「あるべき姿」と「現実」の対比の中から「問題」を考える (特集 検証・障害者制度改革)
- ピアサポート
- ワールドナウ スウェーデンにおける重度の心身障害をもつ人の地域生活支援
- 精神保健政策の変容--カリフォルニア州における精神保健政策の分析をもとに
- 福祉行政職員のエンパワメント研修 : 障害福祉計画作成に向けた交渉調整型研修の試みより (我部政男相原一介教授退職記念号)
- 地域生活支援(2)
- 情報公開に果たす権利擁護機関の役割と課題 : カリフォルニア州の隔離拘束に関する法改正に果たす権利擁護機関の取り組みより
- 入院中の精神障害者の権利擁護を巡る実情と課題 : 「入院患者の声」分析と「入院中の精神障害者の権利に関する宣言」より
- 現場からのレポート セルスアドボカシーから始まる権利擁護--方法論の自己目的化を防ぐために
- 現場からのレポート 相談支援と権利擁護--カリフォルニア州と日本のピア・セルフアドボカシー
- 現場からのレポート 米国の学校における隔離・拘束--教育と支援の"文化"間対立を超えるために
- ノーマライゼーションを「伝える」ということ
- 現場からのレポート 権利擁護の四つの側面--続・カリフォルニア州における精神障害者の権利擁護(下)
- 現場からのレポート 強制入院時における「患者の権利擁護官」の役割(上)続・カリフォルニア州における精神障害者の権利擁護
- 資料 精神病院・入所施設における隔離拘束の最小化に関するカリフォルニア州法
- 現場からのレポート ニーズ積み上げ型か、予算上限型か?--協議調整モデルやパーソナルアシスタンス制度導入時の課題
- ボランタリー・アクションの未来--障害者福祉政策における社会起業家の視点から (特集 再論 ボランティアの未来を問う)
- ノーマライゼーションの視点から考える山梨--安心できる地域社会とは (やまなし学シリーズ(6)「やまなし学研究2008--甲斐の国人物伝/山梨の安全と安心」の記録)
- 福祉現場の構造に関する現象学的考察 : 「U理論」と「魂の脱植民地化」概念を手がかりに(政治行政学科創立二十周年記念号)
- NPOのアドボカシー機能の「小さな制度」化とその課題--精神医療分野のNPOの事例分析をもとに
- 差別の禁止と地域移行・権利擁護政策
- ボランタリー・アクションの未来 : 障害者福祉政策における社会起業家の視点から(再論 ボランティアの未来を問う)
- 「障害者総合福祉法」の骨格提言 (人権キーワード2012) -- (障害者)
- 枠組み外しの旅 : 宿命論的呪縛から真のに向かって (特集 魂の脱植民地化(3)「呪縛」からの脱却・「箱」の外に出る勇気) -- (自らを通じて社会へ)
- 否定された障害者制度改革 : 「障害者総合支援法案」の問題点
- 精神保健福祉法をどう変えるのか : 権利擁護の観点から (特集 精神障害をめぐる法制度のゆくえ : 精神保健福祉法、障害者自立支援法)
- 精神保健政策の変容カリフォルニア州における精神保健政策の分析をもとに
- 「病気」から「生きる苦悩」へのパラダイムシフト : イタリア精神医療「革命の構造」
- ノーマライゼーションの視点から考える山梨 : 安心できる地域社会とは (やまなし学シリーズ 6 : 「やまなし学研究2008 : 甲斐の国人物伝/山梨の安全と安心」の記録)