虚弱高齢者における主観的閉じこもりの身体的・精神的・社会的特徴
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概要
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目的 : 現在歩行は可能であるが外出頻度が低下し、閉じこもり傾向を自覚している虚弱高齢者の出現状況およびそれらの身体的精神的社会的特徴を明らかにすることを目的とした。対象 : 「介護予防・地域支え合事業」デイサービス利用者男性10名(12.0%)、女性73名(88.0%)の合計83名中本研究の定義に該当した78名を分析対象(平均年齢79.7歳 SD5.59 66〜92歳)とした。方法 : 外出頻度と主観的な閉じこもり「1日中外に出ずに家の中で過ごすことが多い」状態に着目し、「閉じこもり予備群」と「非閉じこもり群」の2群に分類し身体的、精神的、社会的の側面で比較した。結果と考察 : 「閉じこもり予備群」の発生は78名中36名(46.2%)と先行研究による「閉じこもり」の報告よりも多い結果となった。身体的特徴として「膝の痛み」や「体調不良」、「体力のなさ」を訴え、活動能力の低下が認められた。このような身体状況は外出頻度を減少させ社会的交流ができない状態にさせていることが考えられる。うつ傾向も「閉じこもり予備群」においては「非閉じこもり群」と比較して高率であり、さらに閉じこもり状態を増悪させる可能性もある。今後は、身体の痛みに対するケアや適切な医療機関への受診など医学的観点からの支援や外出するための手段の援助が必要であり、社会的交流の場の提供とソーシャルサポートを拡大していける社会資源の整備が重要であると考える。
- 日本保健福祉学会の論文
- 2007-09-30
著者
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