日本語学習者のモーラリズム知覚に影響を与える要因(<特集>リズムとタイミング)
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概要
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本論文では,日本語らしいモーラリズムの重要な要素である長短音韻対立に焦点をあて,日本語学習者の知覚に影響を与える三つの要因(提示文脈・発話速度・複数モダリティインプットの学習効果)に関する研究を紹介する。日本語母語話者が文中の単語の長短対立を知覚する際,単語外の部分のリズムや速度も有用な手がかりとして使うが,初級学習者は自動的にそのような知覚ができない。また,知覚訓練中の提示文脈・発話速度は,学習過程の重要な要因であることがわかった。さらに,視覚インプットとしての話者の口の動きは長短対立の聴覚学習に貢献するが,長短対立を手の動きで表すビートジェスチャーは,聴覚学習に貢献しないことがわかった。
- 2009-12-30