ティームール朝の書家ジャアファル・バーイソンゴリーの「上申の書」 : 和訳,解説,サライ・アルバムにおける意義
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概要
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本小論は、トプカブ宮殿美術館が所蔵する4冊の詩画帳(サライ・アルバム)の1冊(登録番号H.2153)のフォリオ98aに貼られている「上申の書」に関するものである。この「上申の書」は、 15世紀前半のティームール朝支配者バーイソンゴルの宮廷図書館長を務めた能書家ジャアファル・バーイソンゴリーに帰せられる書で、当時の図書館付属工房で作製中の写本、絵画、諸工芸、建築装飾、テントなどの作業状況をバーイソンゴルに報告した文書である。ティームール朝美術史にとって貴重な資料であり、英訳、トルコ語訳及びその用語解説が出版されている。ティームール朝のみでなくイスラーム美術史全般においても重要な文献であるので、和訳を試み、先行研究では不明瞭であった用語を解明し付した。また本「上申の書」はこれまで、当該詩画帳(サライ・アルバム)との関連の中で論じられることはなかったが、本論では「上申の書」を詩画帳の作成意図も考慮に入れて考察する必要性があることに言及した。
- 2009-03-12
著者
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