日本人がおもしろいと感じる話の傾向 : 日本一おもしろい話プロジェクト(2010年4月〜2011年3月)の結果と分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
欧米などの低コンテキストな多民族社会と、日本のような高コンテキスト社会では人々の間で語られるジョークや笑い話の種類およびスタイルが異なる。コミュニケーションにおいて必要とされる要素がそこにはあらわれると思われる。そこで2010年4月から2011年3月の1年間で「日本一おもしろい話」プロジェクトを運営し、サイト上で日本各地からおもしろい話を募集した。毎週、投稿された話をサイトに掲載し、おもしろいと思う話に投票してもらうというシステムをとり、日本人がおもしろいと感じる話を分析することを試みた。その結果、560の有効な投稿があり、1949票の投票がされた。投票により、毎月のトップ10までを決定し、それらの話の分類と分析を行ったところ、多くが投稿者の体験談であることがわかった。全体としては言い間違いや同音異義語を使った、言葉に関する話が最も多かった。また、年代でみるとおもしろい話の多くは40代、50代、30代からの投稿であった。性別でみると、女性は突発的な偶然から起きる言い間違い・聞き間違いなどに関する話が最も多く、男性からの投稿は作り込まれた言葉遊び、文化・社会を反映した笑い話などが多いことがわかった。今回のプロジェクトで日本人のユーモアの傾向が一部明確になり、また今後の研究の貴重な資料になると考えている。
- 2011-07-23
著者
関連論文
- 高コンテキスト社会と低コンテキスト社会のコミュニケーションにおけるユーモア
- 平和とユーモア
- 世界の笑い学を分析(第11回研究会)
- 日本人がおもしろいと感じる話の傾向 : 日本一おもしろい話プロジェクト(2010年4月〜2011年3月)の結果と分析
- ビジネスにおけるユーモア度調査 : 営業成績とユーモア度の相関
- 日米比較調査の報告 : ユーモアの使用域と笑いへの意識
- 外来語研究の一考察 : 英語教育との関わり(英語教育)