日本語とオランダ語の訛りの入った英語をめぐる言語相互の生成と知覚(<特集>最適性理論の実験検証と実験音声学の理論整備)
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概要
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日本語話者とオランダ語話者が英単語を発話する際に見られる各言語特有の訛り(例:actをそれぞれ/'akto/と/εkt/,moveを/'mu:bu/and/mu:f/と発音)について,まず,それぞれの話者が両言語訛りで読み上げた音声の音響的比較を行った。その結果,両言語話者間に,母語訛りの音声だけでなく非母語訛りの音声にも,母語のリズム特性に起因すると思われる時間制御の違いが見られた。次に,それらの音声特徴と,日本語・オランダ語話者について行った英語語彙認識の聴覚プライム視覚語彙認識実験(Weber,Broersma and Aoyagi,投稿中)の結果との関係を分析した。その結果,オランダ語話者にとっては/εkt/のように/ae>ε/の訛りが強いほどactの語彙認識が容易になるという例を除いては,両言語話者とも,母語訛りと非母語訛りの音声のいずれを聴いた場合でも,音響的に英語音声に近づくほど語彙認識が容易になることが分かった。
- 2010-04-30
著者
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青柳 真紀子
獨協大学外国語学部英語学科
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ブルーズマ ミリアム
ラトバウト大学ナイメーヘン,ドンデルス認知センター
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ウェバー アンドレア
マックスプランク心理言語学研究所
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ブルーズマ ミリアム
ラトバウト大学ナイメーヘン ドンデルス認知センター
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