日本型イネ品種における穂いもち抵抗性遺伝子Pb1を識別する分子マーカーの新たな反応とPb1保有の判別方法
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概要
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日本型イネ品種「秋の詩」に穂いもち抵抗性遺伝子Pb1を付与した「秋の詩同質遺伝子系統」を作出するため,「秋の詩」にPb1遺伝子を間接的に識別する分子マーカー(B1,B2,B4)を使用した.しかし,「秋の詩」の遺伝子型は「Modan型(Pb1保有型)」と判別され,遺伝子型と表現型は一致しなかった.本研究では,「秋の詩」とPb1保有品種「コシヒカリ愛知SBL」の本分子マーカー領域(Pb1近傍領域)の塩基配列を解析した.その結果,「秋の詩」に対する本分子マーカーの反応は,両品種の塩基配列の相同性に起因していることが明らかになった.さらに,Pb1遺伝子と0.0cMで密接連鎖している分子マーカー(N3-2)を使用した遺伝子型解析により,「秋の詩」はPb1遺伝子を保有していないことが判明した.これらのマーカー反応は,日本型イネ品種における新たな反応事例である.今後,日本型イネ品種にB1,B2およびB4マーカーを適用し,遺伝子型が「Modan型」であった場合は,N3-2などの他の分子マーカーを併用して再確認する必要があると考えられた.
著者
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北村 治滋
滋賀県農業技術振興セ
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川村 容子
滋賀県農業総合センター農業試験場
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日野 耕作
滋賀県農業技術振興センター
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片山 寿人
滋賀県高島農業農村振興事務所
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北村 治滋
滋賀県農業技術振興センター
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川村 容子
滋賀県農業技術振興センター
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