チオスルホン酸エステルとジスルフィドの無溶媒合成と反応機構
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概要
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溶媒無使用条件において進行するチオスルホン酸及びジスルフィドの合成反応において,報告例の少ない2分子間のクロスカップリングを開発し,溶媒和の無い条件での反応について各種機器分析を用いて直接観測することにより追跡することで,それぞれの反応の溶媒和の無い条件における反応特性を明らかにした.チオスルホン酸エステルの合成は,3段階の反応がすべて固体状態でも進行することによって溶媒反応同様の生成物を与えた.この反応についてXRD測定で検証したところ,ヨウ素とスルフィン酸塩が結晶状態からでも効率良く反応が進み,無溶媒反応を推進する上でヨウ素の昇華性が効果的に作用することを明らかにした.次に,この生成物を原料としたジスルフィド形成反応についても,塩基触媒が存在すれば無溶媒で進行することを明らかにした.チオスルホン酸エステルとチオールにおけるクロスカップリングによってジスルフィドは生成するが,無溶媒条件で反応させるとアニリンを必要とするものの簡便な操作で生成物を得ることに成功した.このとき,チオールとアニリンの混合によってチオール基には反応を誘起するための相互作用が生じていることを,IRスペクトルの吸収ピーク変化から明らかにした.
- 2011-07-31
著者
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- 研究室紹介 : 米子高専谷藤研究室(学生の声)