「ワークショップ授業モデル」による表現の授業構成 : 「鑑識眼と批評」による授業パラダイムの転換
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概要
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本稿は,学校教育の枠組みにおいて生徒の芸術表現の力を育てる授業方法として「ワークショップ授業モデル」を再構成し,アクションリサーチを通して,学校教育における授業モデルとしての有効性を検証しようとするものである。近年,幅広い教育場面で支持を集めている「ワークショップ」は,「参加体験型のグループ学習」と理解され,授業者の役割が明確でないために,学校教育の場において学びの深まりを保障する授業モデルとなり得ていない。本稿では,米国の高等教育においてアカデミックな学びを追求したワークショップ実践の源流としての「クリエイティブライティング」の授業を,参加観察と学生のインタビューによって分析し,授業における教師の役割を規定し,さらに授業モデルとしてワークショップを中学生の授業への適用のために再構成した。次に,このモデルを中学校の表現の授業に適応するアクションリサーチを行い,生徒の学びと授業者の意識の転換を,自由記述とインタビューを通して分析した。ワークショップ授業の成立には,教師が高い内容知や技能を持ち,自己の鑑識眼と批評を惜しみなく開示することで,生徒から見てモデルとして機能していることが重要であることが示された。また,学び手を評価主体として位置づけ,学習者における「鑑識眼と批評」の力の成長を学習内容とすることで,近代の「学校化された学び」が編み直される様相が明らかになった。
- 日本教育方法学会の論文
- 2010-03-31
著者
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