ラットの小腸絨毛における中心リンパ管と平滑筋束の関係について
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概要
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小腸壁内のリンパ輸送は一般に絨毛のピストン様往復運動によるが、ラットでは特異的に振り子運動である。絨毛運動は内在する平滑筋によるが、その分布形態は不明である。本研究では免疫組織化学的手法を用いてラット小腸純毛の平滑筋の分布を観察した。ラット小腸絨毛は小腸の吻側から肛門側に向かうに従って山脈状から指状に変化する。中心リンパ管は単一絨毛内に複数存在し、基底部で集合して一本になる。平滑筋束の発達程度は吻側から肛門側に至るにつれて貧弱になる。平滑筋束は絨毛内を縦走し、中心リンパ管の全長に亘ってその周囲を柵状に取り囲む。中心リンパ管と平滑筋束の関係は著者らが先に明らかにした他の動物における場合と同じである。動物種の違いによって絨毛の表面的な運動様式および形態、中心リンパ管の数と形は異なるものの、中心リンパ管とその周囲の平滑筋束の形態学的関係は基本的に一致している。
- 国際医療福祉大学の論文
- 2003-12-25