民主政治か個人独裁か : 九一八後,国民党四期三中全会をめぐる輿論の変化
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概要
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本稿は1932年12月の国民党四期三中全会をめぐる新聞論調を検討し,九一八後の急進的な憲政要求の声が,その後の政治過程でいかなる変化を見せたのかについて考察するものである。四期三中全会は従来,国民参政会開催や憲法起草開始,国民大会召集期明示といった決議に,憲政運動の成果があらわれた会議ととらえられてきたが,1932年後半期の輿論はもはや訓政短縮による憲政施行を現実的なものとはとらえておらず,それよりも各種政策の実行力を問題視して,政治の強力な推進力の構築を求めていた。そのため四期三中全会の決議には厳しい目を向けず,会議が円満におこなわれたことを評価し,蒋介石への権限集中を承認しつつあった。
- 2011-06-25
著者
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