近年の児童における歯面別う蝕罹患の追跡研究
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概要
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1993(平成5)年から2007(平成19)年までの15年間,名古屋市立A小学校における歯の健康診断に際し,歯面別う蝕検診票を用いてう蝕罹患の減少傾向を追跡した.11歳児童(6年生)のう蝕罹患歯面の84%が第一大臼歯で,そのうち咬合面が46%と全う蝕歯面の半数近くを占めていた.15年間を5年ごとに3期に分け,第一大臼歯咬合面について,S(健全)歯面から1年後にCO,D(未処置)あるいはF(処置)へ移行した割合をCODF発生率,DあるいはFへ移行した割合をDF発生率,CO歯面からDあるいはFへ進行した割合をDF進行率とし,それぞれ比較すると,1993-1997年期と1998-2002年期とではDF発生率が減少していたが,近年の2003-2007年期では変化がなかった.DF進行率は経年的に大きな変化がなかったが,CODF発生率は経年的に減少していた.以上より近年の児童のう蝕減少傾向は,COからDFへの進行率は変わらないものの,COの発生率が減少していることが寄与していると結論できる.
- 2011-04-30
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