分子レベルで脳の病気を考える-こどもの脳を守る小児神経学-
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概要
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分子遺伝学という新しい分析手法を取り入れた遺伝子医学は、古典的な小児神経学の考え方を変え、臨床の場における発達障害や神経疾患の診療内容・研究方向に大きな影響を与えている。その方法論はこれまでと全く異なった診断技術を生み出し、多くの未知の病気の病態や原因を解明してきた。ただし、分子レベルでの研究だけでは脳という複雑な情報システムを理解し、患者個体レベルでの病気の全体像をとらえることはできない。分子と個体の間に存在する、いわばブラックボックスを明らかにすることが、神経遺伝病をはじめとする多くの小児神経疾患の治療・予防につながるはずである。そのためにはどうしてもモデル動物による病態解明や治療のこころみが必要である。小児神経学における研究・診療は今後急速に変化し、患者診断や予防・治療に新しい見方や考え方を生み出すであろう。
- 国際医療福祉大学の論文
- 2000-12-22
著者
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