自閉性障害児におけるトークン・エコノミー法による援助行動の獲得と般化 : 家庭や学校場面への連鎖を達成する随伴性の整備
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概要
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困難な状況に陥っている他者の様子と援助すべきかどうかを正確に言語化できるにもかかわらず、実際の随伴性においては援助行動を自発しないという実態を示す1名の自閉性障害児に対して、トークン・エコノミー法を用いて援助行動を再度形成した。また、この介入による強化随伴性を家庭や学校場面にまで拡大して、援助行動の反応型が場面般化するかどうかを検討した。すると、上記の介入を適用した直後から援助行動が生起した。また、介入期で訓練していないさまざまな援助行動の反応型が、家庭や学校場面に般化した。これらの結果から、自閉性障害児が援助行動を獲得し、さらに介入期で適用していない援助行動の反応型を家庭や学校場面に広く般化するためには、トークン・エコノミー法のような反応-強化間時間を操作する介入が有効であることが示唆された。また、その効果を高めるには、トークンの強化力を高めることと、行動と強化事態の随伴性を明確にする仕掛けを設定することが重要であると示唆された。ただし、これらの知見は、対象児が上述の実態を示しているという条件下のみで有効な可能性も推測され、課題として残された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2010-09-30
著者
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