断るという行為の認識の仕方が断り表現の選択に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
学習者に語用知識の習得を促すには、語用論的転移が生じることに関与する要因を解明する研究を一層進める必要がある。断りはフェイスを脅かす行為(FTA)(Brown & Levinson 1987)になり得るので、FTAの度合に応じて断り表現が選択されると想定する。選択された表現が異なる時は、表現選択に影響を与えるとされる変数の捉え方が異なると想定されるが、変数をどう捉えるかは話し手の断るという行為の認識の仕方による。ここから、学習者が選択した表現が母語話者と異なる時は、断るという行為の認識の仕方が母語話者と異なるという仮説が導かれる。本研究は、語用論的転移が生じることに関与する要因を探る一方策として、この仮説の妥当性を検証する。