ロアル・ダールについて
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概要
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短篇小説がアメリカ小説の中に定着し,ユニークな存在となり得たのは,それなりの理由が挙げられようが,最も進んだ国の人たちが生活の糧として求めたものを短篇小説が持ち合わせていたということだ.それに,多忙な現代の生活に手頃であるということは,また逆に,短篇小説が現代生活にマッチするような要素を自ら創り出してきたとも言える.マーク・トゥエン的な大らかな自然のなかで,のびのびと育まれたユーモアは現代の錯綜した社会機構のなかでは色褪せて古典化し, up-to-date な雰囲気に合致するユーモアは一段と凝った材料を要求するのは当然のことである.短篇作家としてのロアール・ダールは人生の断面をさまざまの角度から切って見せてくれる.その切り口の鋭さは彼の身上である.現代社会のもつ不条理,非情さ,残虐さをえぐり出さんがために,あるときは病的な,またあるときはグロテスクな状況を創りだし,ドス黒い笑い,にがい笑いを提供してくれる.
- 木更津工業高等専門学校の論文
著者
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