外国人留学生の大学入学以前の体育・スポーツ経験に関する調査研究
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概要
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本研究の目的は,日本人学生と留学生が混在する大学体育実技授業(「混在授業」)の教育成果向上に資する研究の一環として,留学生の大学入学以前の体育・スポーツ経験の実態を調査・分析することにより,日本を含めた留学生の出身国・地域別の大学入学以前の体育・スポーツ経験について比較・考察することであった.そして,日本語学校(10校)の留学生に対する実態調査I,大学(4校)における日本人学生と留学生に対する実態調査IIを4言語(日本語・中国語・ハングル・英語版)のアンケート調査票を用いて実施し,25を上回る国・地域出身者から1,667部の有効回答を得た.そして,データ数の確保できた日本(603),韓国(583),中国(371)の3カ国を主たる対象として分析・考察を行った.本研究により,1)留学生の大学入学以前の体育・スポーツ種目経験数は,日本人学生の種目経験数よりも少ないこと,2)出身国により体育・スポーツ経験種目に偏り,特徴等があること,3)日本の体育授業が色々なスポーツ経験の場,あるいは社会性を身につける機会となっていることが日本人学生と留学生の体育レディネスに違いが出る要因となっていること,4)中国及び韓国では体育授業の他科目授業への振り替えや受験準備等のために自習時間に充てられるなど,体育が軽視されている傾向があること,5)日本では教師の資質や評価に不満を感じている傾向があるのに対して,中国及び韓国では体育施設・設備・用具等の乏しさや授業時間の少なさに不満を感じている傾向があること等が明らかになり,これらを踏まえ,混在授業を展開するにあたっての幾つかの有益な示唆が提示された.
- 2009-03-15
著者
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