技術伝承システム用の複合コンテンツ開発
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概要
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日本のものづくり産業の国際競争力は、グローバル化と少子高齢化が進む中で大きく衰退している状況にある。これまでの質の高い技術者・技能者の退職が2007年問題として大きな課題であったのに加え、今年3月の東北大震災により車産業、半導体産業に大きな打撃を受けるなど、深刻さがさらに深まっている。これに対する一つのソリューションとして、これまでの技術・技能ノウハウを体系化・構造化して承継可能なものにすると共に、さらにこれらを新分野・新製品・新サービスに応用することが考えられる。従来の形式知を主体とした技術伝承システムに対して、筆者達は、技術・技能ノウハウの領域を見える化・最適化・表示化する技術伝承システムの開発を進めて来た。特に、技術・技能ノウハウの抽出、伝承シナリオ、及び、使用する複合コンテンツがポイントと成ることから、技術伝承テーマに対して、複合コンテンツの特性、組み合わせ、配分、連携、検索機能などと、制作条件の明確化を考慮した技能伝承システムの開発を進めている。本稿では、技術伝承システムの概要、複合コンテンツの内容・意義・構成、及び、これまで開発してきた技術伝承システムと複合コンテンツの事例を紹介すると共に、他のものづくり業務への応用展開について概説する。
- 2011-07-14