語りと書き言葉の融合〜Mark Twainの挑戦〜
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概要
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9世紀半ば、アメリカで人気を博した文学的コメディアンの後継者とされるMark Twainは、彼らの特徴であるfool characterを登場させ、意図的な誤字phonetic misspellingを利用しながら、語りの中のユーモアを書き言葉の中で再現しようと試みた。そのためには悠長な口調を彷彿とさせる語り手の創造と、的確な言葉right wordが不可欠であった。その挑戦が花開いた短編がTwainの名を世に広めたJumping Frogである。その後、語りと書き言葉の融合を目指したTwainの挑戦は長編へと広がり、ついには自由を希求する自然児Huckleberry Finnを主人公としたThe Adventures of Huckleberry Finnの登場で一つの完成を見るに至る。様々なdialectを取り混ぜながら一人称で自由気ままに語るHuckの語りは、ミシシッピ川の流れの様に読者に言葉のリズムと豊かさを伝えたのである。