全国市町村の児童家庭相談を構成する要件 : 相談援助を担当する相談員による質問紙に対する回答を基に
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概要
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本研究の目的は,児童家庭相談員の働く環境要因を明らかにするため,市町村の児童家庭相談がどのような構成要件で成り立っているのかを探索的に検証することである.そして,児童家庭相談員の個人的な要因(属性)がどのように児童家庭相談の構成要件と関連があるのかを明らかにする.量的調査の結果,児童家庭相談の構成要件として4要件(専門的対応のための環境,多機関によるサービス提供,体系的サービスの開発,児童相談所と市町村の認識差)が抽出された.そして,「専門的対応のための環境」と「多機関によるサービス提供」に相関関係(r=.63)が確認された.また,相談員の年齢と資格の有無という個人的な特徴も「専門的対応のための環境」に関連があることが明らかになった.市町村においては,要保護児童対策地域協議会の必要性が認識され,さらなる社会資源の開発と,市町村と児童相談所との明確な役割分担の必要性が意識されていると考えられる.
- 2011-02-28