シングルテナント型システムからの移行に適したマルチテナント型データベースシステムの構成法
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概要
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本稿では,単一のテナント(利用者組織)による利用を前提としたシングルテナント型の既存システムから複数のテナントをホスティングする形態を持つマルチテナント型のシステムへの移行(マルチテナント化)を,効率的に実現する手法について論ずる.特に,本来マルチテナント型のシステムでは実現が困難であるテナントごとのデータベーススキーマのカスタマイズ機能を,既存システムからの最小限の変更により実現する手法について述べる.従来のマルチテナント型のリレーショナル・データベースの構成法をマルチテナント化に適用した場合,データベースに拡張用のカラムを大量に追加する必要が生じ,アクセス性能が大幅に劣化した.そこで本研究では,各テナントが拡張したスキーマ上のデータをシリアライズして単一のカラムに挿入することで,マルチテナント化に際して追加すべきカラム数を最少で2個に圧縮する手法を提案する.さらに本稿では提案システムの設計と実装について説明し,実験を通じて,提案手法ではカスタマイズ機能の実現によるデータベースのアクセス性能の劣化が従来手法を用いた場合の30%程度に抑えられる効果について示す.
- 2011-03-15
著者
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