介護施設に入所している認知症高齢者の主観的QOLと客観的QOLの比較
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概要
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本研究の目的は,日本語版DQOL(DQOL)を用いて,認知症高齢者からみた主観的なQOLを明らかにし,客観的に評価する認知症高齢者の生活の質尺度(QLDJ)との評価結果を比較するとともに,その関連要因について検討した.対象は介護施設入所の認知症高齢者55名で,平均年齢は84.2歳,MMSEの平均値は18.5(範囲13〜24)であった.DQOLの5下位尺度の平均得点は,「美的感覚」が3.49と高く,「自尊感情」は3.06と低かった.DQOLの「肯定的情動」とQLDJの「周囲との交流」(r=0.336,p≦0.05)が有意な相関を認めたが,他の下位尺度間は関連がなかった.2つの尺度結果の関連性が強い領域と隔たりがある領域が明らかになり,相互補完的な役割を担えることが示唆された.DQOLは軽度から中等度の認知症ではMMSEによる差がみられず,施設ケアの指標として有用と考える.
- 2011-01-15
著者
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