施設で生活する中等度・重度認知症高齢者の自己決定の機会を提供する看護介入の効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,施設で生活する中等度・重度認知症高齢者の自己決定の機会を提供する看護介入の効果を明らかにすることである.条件を満たした20名(介入群10名,対照群10名)を対象とし,「食事」「間食」「更衣」「排泄」「レクリエーション」について連続2週間,自己決定の機会を提供する看護介入を実施した.結果として,精神機能(MENFIS)の有意な改善,特に下位尺度「動機づけ機能障害」の改善傾向,「体操」場面での活動への意欲・関心(PAFED)の有意な改善がみられた.認知機能(MMSE)の有意な改善はみられなかった.選択肢を提示された際の意思表示の明確さの程度については,調査者が作成した順序尺度を用い,「間食」「更衣」場面で評価した.その結果,介入開始時点と2週間後では,意思表示の明確さの明らかな改善はみられなかったが,評価得点が上昇した対象者がいたことから改善の可能性は否定できないと考える.以上より中等度・重度認知症高齢者に対して,自己決定の機会を提供する看護介入が行動への動機づけとなり,生活への意欲を向上する可能性があることが示唆された.
- 2010-01-15
著者
関連論文
- 痴呆高齢者のケア提供者における職業的満足感
- 認知症の人のBPSD(行動・心理症状)--その考え方と対応の基本 (焦点 認知症ケアの実践ガイド) -- (認知症の人の日常生活の理解とケア)
- 優秀論文 施設で生活する認知症高齢者の歩行運動の現状
- 施設で生活する中等度・重度認知症高齢者の自己決定の機会を提供する看護介入の効果
- 介護老人福祉施設入所者の主観的幸福感に関連する要因