持続硬膜外麻酔を用いた漏斗胸術後疼痛にて錐体外路症状を来たした1例
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概要
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症例は18歳男児。漏斗胸に対するNuss手術を施行した。術後の疼痛管理のために持続硬膜外麻酔を用いた。0.25%ブピバカイン50ml、ブプレノルフィン0.3mg、ドロペリドール2.5mgの混合液を、術後から2ml/hrで硬膜外持続注入した。投与18時間30分後から息苦しさが出現した。その後、ミオクローヌスに続き、全身の硬直と頚部のねじれ、眼球の上転が出現した。これらはドロペリドールの副作用による錐体外路症状の急性ジストニアとパーキンソン徴候と考えられた。投薬中止2時間後より症状の改善が見られ、8時間後には症状は完全に消失し後遺症は見られなかった。術後疼痛管理における持続硬膜外オピオイド投与による悪心・嘔吐の副作用防止と、その鎮痛効果を増強させる目的でドロペリドールの併用が行われている。本症例は呼吸苦があったため術後合併症が着目されたが、ドロペリドールの副作用も常に念頭におくべきである。
- 2011-12-25
著者
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稲村 幸雄
市立大村市民病院 外科 同 薬剤部 長崎大学大学院 腫瘍外科
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稲村 幸雄[他]
市立大村市民病院 外科 長崎大学大学院 腫瘍外科
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稲村 幸雄[他]
市立大村市民病院 外科 同 薬剤部 長崎大学大学院 腫瘍外科