信用金庫の存在理由に関する考察 : 信用金庫業界が策定した長期経営計画を中心にして
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿では, 信用金庫業界が策定してきた長期経営計画および信用金庫の長期ビジョンなどをみることによって, 業界が信用金庫の存在理由や使命をどのようにとらえてきたのかを整理した.信用金庫業界は, 信用金庫を協同組織形態の中小企業専門金融機関, 地域金融機関として位置づけ, その機能を発揮することが課題であることを繰り返し強調してきている. しかし繰り返し強調するということは, 実態としてそれが十分に機能しているとはいえないからであろう.これからの信用金庫のあり方を検討するためには, (1)信用金庫が会員制度-協同組織形態をとることの意味を現代的な視点でとらえ直すこと, (2)相互扶助性を客観的にとらえるための指標を作ること, (3)信用金庫と同じく協同組織形態をとる信用組合, 中でも特に地域信用組合や業域信用組合との相違点, (存在するとすれば) 信用金庫の優位性を明らかにすること, (4)信用金庫と同じく中小企業金融, 地域金融の担い手であるが株式会社形態をとる地域銀行と比較して, 信用金庫だからこそできる点を明確にすること, が必要であることが示された.
- 2011-03-31
著者
関連論文
- 信用金庫・信用組合の存在意義に関する一考察 : 金融制度調査会および金融審議会の報告書を中心に
- 地域通貨による商店街の活性化
- リレーションシップバンキング推進のための課題
- 地域金融機関と地域密着型金融
- 地域通貨と地域経済の活性化
- 内生的貨幣供給と量的緩和政策
- Minskyの金融不安定性仮説と日本経済
- 信用金庫の存在理由に関する考察 : 信用金庫業界が策定した長期経営計画を中心にして
- 信用組合の存在理由に関する考察 : 信組運動を中心にして
- 信用金庫の経営理念と地域貢献活動
- 信用組合の経営理念と地域貢献活動
- 信金・信組のリレーション営業 : 優位性と問題点 (特集 信金・信組の現場力)
- 貯蓄・投資とビッグバン--マクロ的資金配分の最適化のために