信用金庫・信用組合の存在意義に関する一考察 : 金融制度調査会および金融審議会の報告書を中心に
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概要
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本稿では, 信用金庫が会員の, 信用組合が組合員の相互扶助を理念とし, 非営利という特性をもつ協同組織金融機関であることを確認した. また, 信用金庫の会員, 信用組合の組合員が地域の中小企業および個人であることから, 信用金庫・信用組合が中小企業金融の担い手であり, かつ地域金融の担い手として位置づけられてきたことも確認した. しかしながら, (1)そもそも協同組織金融機関における相互扶助, 非営利とは何か, (2)相互扶助性ないし協同組織性が弱まってきているとされる中で, 信用金庫・信用組合が協同組織形態をとり続ける必要はあるのか, (3)信用金庫・信用組合にしかできないことは何か, (4)信用金庫・信用組合と業務の面で競合する点の多い地域銀行とどのように差別化をはかるのか, (5)信用金庫と地域信用組合のあり方, 業域信用組合と職域信用組合のあり方はこれまでのままでよいのか, などの点については, これまで金融制度調査会や金融審議会の場では十分に議論がなされておらず, 研究課題として残されていることを指摘した.
- 2010-03-31
著者
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