公益通報者保護法の新しい可能性についての一考察 : 消費者庁発足に伴い新しい扉は開かれるのか
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概要
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政治と法律との関係は、とかくなおざりにされがちであることは否めないが、こと、消費者保護関連法規についてはそう簡単に片付けられるものばかりではない。わが国の法律行政の中では、過去には細川連立政権のおとしだねとしての「製造物責任法」が存在し、今また、政権交代が実現したまさにそのときに、新しい発想の行政機関としての「消費者庁」が政権交代後の荒波に揉まれながらも船出の時を迎えている。所管する法律の単独・共管の区別はともかく、法律と政治との狭間にあって、その存在感を示し、何よりも誕生の意義をそして存在感を示すには、一にも二にも自らの分をわきまえた現実的な実務の処理・実効的な消費者保護政策の実現に尽きるものと思われる。本稿では、過去における筆者の研究業績とあわせ、製造物責任法、公益通報者保護法などの消費者保護関連法規に新しい局面が訪れる可能性のありやなしやも含めて検討を加えるものである。