モホイ=ナジのハンガリー時代:1895-1919 : 行動主義「MA」とモホイ=ナジの関係(1)
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概要
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20世紀初頭、ハンガリーの近代化の過程で生じた社会主義革命において、芸術家は文化の民主化を標榜し、社会へと活動を拡大した。彼等の現状に対する批判と変革の試みは、前衛芸術雑誌『MA』を中心に運動体としての芸術革命に結集し、モホイ=ナジの初期活動に少なからぬ影響を与えることとなる。本研究はモホイ=ナジの芸術理念を正しく理解するために、ハンガリー時代の初期活動に注目し、生い立ちから「行動主義」作家として成長するまでの軌跡を調査しその実像に迫る。彼は第一次世界大戦帰還後から視覚芸術の表現世界にのめり込み、次第に幾何学的抽象表現を獲得するが、同時に革新的芸術家集団「MA」に接近していく。本稿では、これまで見過ごされてきた初期文学作品や素描について紹介するとともに、特にモホイ=ナジが「MA」といつ、どのような関係にあったかを史実に基づき考察する。亡命後に到達した構成主義の理念は、彼がハンガリー時代に理想とした社会主義の視覚化であると言える。
- 日本デザイン学会の論文
- 1996-09-10
著者
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