問題状況の構造分析とデザイン問題の構想 : デザインにおける問題提起の方法論に関する研究
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概要
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本論は,デザインプロセスを人間の行為遂行の過程に照らして捉え直し,最も創造的であるべき「問題そのものの構想(デザイン)」のための方法論について論じるものである。社会的な問題とされている状況(問題状況)は,受動的で気になるさまざまな「行為のかたち(こと)」の集合である。デザインが対象とすべき「問題」は「在る」というよりも,問題状況を前にして独自に構想されるものである。問題状況を把握・認識するには,対象とする領域で現実に生じているさまざまな事柄を抽出し,「原因-結果」あるいは「関係の有無」に基づいて,その構造を略図として表すことが有効である。その関係構造から,状況を構成する「場」「生活空間」「歴史・文化」の側面に対応づけられる事柄の集合およびそれらの関係が読み取れ,その階層性を明らかにすることができる。それを踏まえ,直観と構想力の飛躍によって,独自の視点・立場から問題状況を解釈・評価し,具体的に対象とすべきデザイン問題を構想することができる。
- 日本デザイン学会の論文
- 1994-01-31
著者
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