箱階段の構造 : 箱階段のデザイン研究(3)
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概要
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本稿は,伝統的な町家で発展した箱段階の構造について,実測調査事例と文献資料事例を検証したものである。その結果,箱段階は次の構造的特性をもつことを明らかにした。(1)箱段階は,枢組(かまちぐみ)構造型と厚板組構造型に類別される。(2)権組構造型は,竪枢(たてがまち)と横枢(よこがまち)がホゾツギで枠組みされる。段板と蹴込み板(けこみいた)は,その枢枠に挿入されるか,または載せられる。これら部材接合の納まり仕様は,10類別される。(3)厚板組構造型は,事例は少ないが,平滑な厚板材を用いて階段状の箱に組み立て,階段にも収納にも使用できる形態にしたものである。(4)枢組構造型の用材は,外観に現われる見えがかり材にケヤキ材を用いて透き漆塗りで仕上げ,内部材はスギ材,スギ板を用いて製作される事例が多い。(5)厚板組構造型の用材は,スギ材やナラ材などの,容易に割り板が製作できる良質の木材が用いられたと予想される。
- 日本デザイン学会の論文
- 1992-03-30
著者
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