形態論 : I.公理系の探索
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概要
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ここに名付ける形態論とは,形の受容と判断の心理構造を研究の対象とするデザイン学的学際分野の一つを指す。第1章:<全体は部分の単純和を超える>というゲシュタルト理論のテーゼを立場とする理由と,数学的形式化により古典理論を意味論的に強化することの必要性を論じた。第2章:形に関する常識の錯誤を分析することにより,集合の最終性,形の非可算性,プラグマティック受容性,脳神経場内の生理的実在性の4つが形式理論の構築に関して考慮すべき基本的な重要事項であることを示す。第3章:<形態>は意識の中に生じる<形式の自覚>であると言う認識にもとずき,受容空間に作用する基本法則を充填,排他,重畳の3原理に帰納した。第4章:前2章の結果に基ずき,形の多様性を知覚の多様性に置換し,かつそれを無矛盾な形式に構成するための近傍,和と積,図と地,Rubinの条件の4つからなる公理系を設定した。
- 日本デザイン学会の論文
- 1992-03-30
著者
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