若年発症2型糖尿病の疫学・成因・病態・治療・合併症

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若い年齢で発症する糖尿病として1型糖尿病が有名であるが、2型糖尿病もある。30歳未満で診断された2型糖尿病を若年発症2型糖尿病として、若年発症2型糖尿病が大人発症2型糖尿病と異なる点、同年代で発症した1型糖尿病と異なる点を中心に、その全体像を明らかにする。,まず患者数は診断時年齢と病型によって異なる。10歳未満で診断される患者はほとんど1型糖尿病であり2型はわずかである。しかし、10歳代になると1型:2型がほぼ1:1になり、13ないし14歳以降は2型糖尿病患者数が1型糖尿病患者数を凌駕していく。20歳以上になると圧倒的に2型糖尿病患者数が多くなる。,成因および病態は大人の2型糖尿病とおなじくインスリン分泌不全とインスリン抵抗性がその背景に存在するが、インスリン分泌不全の要因のひとつとしての生下時体重、そしてインスリン抵抗性をきたす要因としての思春期の存在は糖尿病発症に与えるそのインパクトが大きい。,1型糖尿病と異なり、2型糖尿病の初期は病状に乏しくまた大人になっていない年齢のため病識も乏しいことが多く、さらに食欲の一番旺盛な時期でもあり、せっかく学校検尿で発見されても医療機関の受診がなされなかったり、受診しても通院中断となってしまうことが多い。20歳前後は進学、就職、転職の頻繁な時期でもあるので、これらはすべて通院継続を妨げる。しかしながら、家庭をもち、仕事にも落ち着きのでてくる40歳代から、重症の糖尿病性合併症を併発してくることが多く、就労の妨げとなり、患者QOLを悪化させることも多々ある。また、収入減にもつながり、医療経済的にも重大な問題となる。,近年は、2型糖尿病とともに脂質異常症、高尿酸血症、高血圧もあるメタボリックシンドロームを呈した若年発症2型糖尿病が増加しており、体の成熟が完成した成人期になって予防対策をするのではなく、小中学校時代までに、食育を含めた全人的予防対策がなされることが望まれる。
2011-03-31

若年発症2型糖尿病の疫学・成因・病態・治療・合併症

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