英国における緩和ケアサービスの現状-その構造,過程,帰結-
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概要
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英国における緩和ケアの現状について,各種統計資料を用い,ケアの質を規定する構造,過程,帰結の3つの側面から報告する.構造においては,サービス提供施設・組織の規模やサービス内容が多様であること,過程においては,在宅緩和ケア,入院緩和ケア,デイ緩和ケア,病院の緩和支援サービスなど各サービスがネットワークを構成して,きめ細かいサービスを提供していること,などが日本と比べ大きく異なる点であった.帰結においては,緩和ケアサービス全体で看取る患者数は,英国の年間死亡数580千人の約1 /10,がんによる死亡数154千人の約1 /3に達していた.また,がん患者は全疾患と比べ,希望する場所(自宅,入院緩和ケア施設)で18%多く死亡しており,逆に希望しない場所(病院,介護施設,他)での死亡は18%少なかった.がん患者に見られるこの18%のシフトは,自宅や入院緩和ケア施設で,末期がん患者を主な対象として提供されている緩和ケアサービスの効果と考えられる.
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