ミトコンドリア蛋白 SP-22の冬眠動物における脳内局在と概年リズムでの季節変化の免疫組織化学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
哺乳動物の冬眠現象は,概年リズムの一つで,心拍数,呼吸数,そして体温などの劇的な低下で特徴づけられる.この様な変化は,脳の組織や細胞に少なからぬ影響をあたえる.その影響の一つに酸化的ストレスがあげられる.一方,ミトコンドリア蛋白の SP-22は,チオレドキシン依存の過酸化物還元酵素ファミリーに属し,ミトコンドリア内の種々の酵素を酸化的ダメージから保護するはたらきをもち,酸化的ストレスで増加することが明らかになっている. SP-22の抗体を用いた免疫組織化学で,脳内の免疫陽性部位の局在と季節による変化を観察し,酸化ストレスと脳内の特定部位の関係について検討した.免疫陽性部位は脳内の多くの部位で観察され,多くの部位で酸化ストレスを受けていることが示唆された.また,免疫陽性部位の季節変化についても観察し,特に,リズム発振部位の可能性の高い部位と考えられている室傍核や青斑核などで,酸化ストレスを受ける冬眠期に強い陽性反応が観察された.これらの結果から,酸化ストレスを冬眠,覚醒とリズミカルに受けている領域によって概年リズムを発振している可能性が示唆された.
著者
-
大友 和夫
秋田大学医学部保健学科作業療法学専攻
-
大友 和夫
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻作業療法学講座
-
福原 紅子
秋田大学医学部第二解剖
-
吉崎 克明
放送大学秋田学習センター
-
福原 紅子
秋田大学医学部解剖学第二講座(元)
関連論文
- 臨床実習前後における事例提示を用いたワークショップ形式の授業の試み : 学生の自己評価の変化と感想をふまえて
- 超音波法による秋田市・鷹巣町在住女性の踵骨骨密度3指標の比較 : ディサービス利用高齢女性も含めて
- 生体リズムに関与する視床下部下垂体路の免疫組織学的三次元(3D)解析
- 233. 医療関連職種教育改善のための方策 : 自己評価システム作成
- 視床下部下垂体路における神経線維の概年リズムでの形態変化について
- 冬眠動物視床下部におけるオレキシン免疫陽性部位の季節変化について
- 31C-06 芍薬および甘草の抽出主成分の非妊娠ラット子宮筋に対する収縮抑制作用
- 脳波のα波出現率に基づく在宅介護福祉機器の評価の検討
- ミトコンドリア蛋白 SP-22の冬眠動物における脳内局在と概年リズムでの季節変化の免疫組織化学的研究
- 地域医療情報を考慮したビジュアル遠隔医療ネットワークシステムの構築
- 冬眠動物における頚動脈小体の季節変化について
- 感性生体情報による在宅介護福祉機器の評価システムの構築
- ラット上頚神経節培養細胞における培養期間のアセチルコリン及び高カリウムに対する感受性と細胞内構築に及ぼす影響(里舘良一教授退官記念論文集)