初発統合失調症の子を持つ母の心理
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概要
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初発統合失調症の在宅医療において、キーパーソンとなりうる母の在りようは子の疾患や生活に重要な影響を及ぼす。本研究では初発統合失調症の子を持つ母5人を対象に半構造化面接を実施し、質的に分析を行い、子の受診1ヶ月前から退院後半年以内の母の心理を明らかにすることを目的とした。分析の結果、52のサブカテゴリーと13のカテゴリーが抽出された。母の心理は《受診1ヶ月前から受診まで》に<子の行動におびやかされている><お世話になった人への感謝><子のためにしてあげられなかったという自責感>の3つのカテゴリーと、《告知された時》には<病気と知った時の落胆>、《入院した時》には<アンビバレントな心理>、《退院後半年以内》には<育て方についての自責感><陰性症状への不快感><病気の受容と葛藤><罹患したことについてのネガティブな感情><病気の原因探し><子の将来について考えている><療養環境についての思い><対応の仕方に困っている>という8つのカテゴリーで構成されていた。これら母への心理的サポートとして、育て方は病気の発症と関係がないということや、高い感情表出が再発率を高める可能性があるということ、陰性症状についての教育などの必要性が示唆された。
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