入院患者から看護者が受ける暴力的行為に関する研究 : 18人の精神科看護者の体験
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概要
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本研究は、精神科看護者が体験している患者による暴力的行為の種類や影響と看護者の対処について詳細に説明する質的記述的研究である。先行研究から暴力を看護者に身体的・心理的影響を与える患者による身体的・言語的・性的な行為と定義した。A精神科病院の看護師18名を対象に、患者による暴力の体験についての半構造的面接を行い、その結果を暴力の定義に基づいて分類した。対象者は、「拳骨で殴る、平手で殴る」等の身体的暴力、「脅迫、誹謗・中傷」等の言語的暴力、「抱きつく、キスしようとする」等の性的暴力を受けていた。暴力により身体的傷害を負っても、周囲にはあまり大げさに振る舞わない傾向があった。また、対象者は「患者への恐怖や怒り、ケアへの自信喪失、自己嫌悪」等の心理的影響も受けていた。これらに対し、直後は暴力被害の事実を考えないようにしたり、暴力を振るった患者に共感的に関わらないなどの回避的な対処を行っていた。暴力被害看護師へのサポートとして、感情を表出させるデイブリーフイングが有効だと言われている。しかし、今回の結果では、あえて暴力を受けた看護者の感情にふれずに見守るという周囲のサポートが行われていることが明らかになった。現状では、暴力被害を乗り越えることが被害を受けた看護者自身に任されており、教育と支援のためのシステムを検討する必要性が示唆された。
- 日本精神保健看護学会の論文
著者
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鈴木 啓子
静岡県立こころの医療センター
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鈴木 啓子
静岡県立大学看護学部
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小宮(大屋) 浩美
千葉大学看護学研究科博士前期課程
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石野(横井) 麗子
聖隷クリストファー大学看護学部
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石村 佳代子
静岡県立大学看護学部
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金城 祥教
筑波大学大学院人間総合科学研究科
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