慢性的に統合失調症を有する人の自我発達を支援する看護援助の構造
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概要
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本研究の目的は、慢性的に統合失調症を有する人の中に失われずある自我発達の可能性を見出し、支援する看護援助の構造を明らかにすることである。対象は、単科精神病院入院中の慢性的に統合失調症を有する3名である。自我発達を支援すると思われる援助指針に基づきながら、3〜7ヶ月援助を行い、その全過程をデータとした。分析は、各事例ごとに自我発達が読み取れた場面を取り出し、自我発達の視点から、その発達をもたらした看護援助の意味を検討して分類・命名、さらに自我発達の経過とそれに対応した看護援助との関係から、看護援助の構造を導いた。看護援助は自我発達の視点から[存在性・応答性の提示][自己表現の保障][肯定的側面の焦点化・支持][異なるもの(視点、選択肢、反応など)の提示][選択・決定の保障]の7つが取り出された。これらの援助にはさらに【存在肯定を伝える援助】と【自己再考・再編を支える援助】の性質が見出され、6つの自我発達の性質それぞれに対応した2つの援助の性質の割合として構造が示された。
- 日本精神保健看護学会の論文
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