精神科における事前情報が看護者の印象形成に及ぼす影響 : ネガティブ情報を用いて
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概要
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本研究の目的は、精神科の患者の事前晴報、特にネガティブ情報が看護者の患者像形成の仕方に及ぼす影響を検討することであった。事例は、初期アセスメント情報とエピソード情報から構成し、患者への苦手意識を反映した内容になるように作成した。被験者は精神医療施設に勤務する322名だった。その結果、(1)患者像では、性格、物質依存、生活の様子に関するものが多かった。(2)患者像の形成の仕方に共通性のみられる6グループが存在し、うち(1)疾患と環境(31%)、(2)関係と生活の様子と情緒(25%)、(3)性格(21%)、(4)物質依存(20%)に関する患者像を形成し易い4グループが97%を占めていた。(3)患者像における認知的評価の仕方では、否定的評価群が60%を占め、肯定的評価群は5%のみであった。(4)患者の情報では、エピソード情報の患者の言動(29%)が最も多く活用されていた。以上の結果から、看護者は事前晴報を入手することにより患者の安定的な内的属性に関連した患者像を形成しやすく、またそれがネガティブ情報であればネガティブな患者像の形成につながりやすいことが示唆された。
- 日本精神保健看護学会の論文
- 2002-05-15
著者
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