看護におけるタッチング教育
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概要
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本稿は、看護教育におけるタッチング教育についての研究報告である。タッチングは、ナースとクライエント間の非言語的コミュニケーションにおいて極めて重要な位置を占め、看護における対人関係の質を決定する一要因であるといわれている。しかし、タッチング教育に関する報告はほとんどみられない。今回、看護教育の1つに非言語的コミュニケーション技術としてタッチングを加え、4年制教育の3年次の成人・高齢者学内演習の1つとして行なった。対象は、本演習ならびに成人・母性臨地実習受講者の66名(女性65名、男性1名)であった。 タッチング演習は、(1)講義、(2)ロールプレイ、(3)ロールプレイのビデオを通したディスカッションと再体験学習の3つの段階で構成した。教育効果は演習終了後に提出したレポートの内容および演習後に行なわれた臨地実習におけるタッチングの実施状況により評価した。タッチングは看護介入の1つである気づきやタッチングの提供者と受け手の間における感じ方の違いなど9つの意識化か得られた。また、実習中に95%の対象は思いやりや励ましを含んだ情動的タッチングを行ない、94%の対象がタッチング演習を肯定的に評価していた。タッチング教育において、タッチングに関する学生の個別的嗜好とタッチングの実施との関連性におけるさらなる研究の必要性と既存のタッチング理論の追加要素および多面的側面からのタッチング教育の研究の必要性などが示唆された。
著者
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