企業買収行動の理論的・実証的分析 : 連結子会社数の決定要因とストックオプションの影響
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概要
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論説(Article)本稿では企業買収の理論モデルを構築し、これを日本企業の連結子会社数のデータを用いて実証的に検証した。その結果、積極的に企業買収を行うのは、(1)製品・技術が複雑で研究開発が活発、(2)需要成長率が高いが利潤率が低く、(3)買収資金が豊富で、(4)経営者のモチベーションが強い企業であることがわかった。また、連結子会社数の調整は迅速であることやストックオプション規模が大きい企業ほど買収が活発になって連結子会社数が増加することも明らかになった。We constructed a theoretical model of the buyout behavior of a firm and tested it by conducting the empirical analysis of the determinants of the number of consolidated subsidiaries. Estimation results showed that the buyout action increases when (1) products and production technologies have complicated structure and R&D is intensive, (2) the rate of growth in sales is high but the rate of profits is low, (3) the fund for buyout is large, and (4) the motivation of executives is strong. We also found that the speed of adjustment in the number of consolidated subsidiaries is considerably fast and the increase in the scale of stock options increases buyout resulting in the increase of the number of consolidated subsidiaries.
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