世紀転換期における消費生活と消費者金融サービス : 金融ビッグバンにおける民事ルールの役割(統一論題「金融ビッグバンと消費者金融サービス」)
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概要
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わが国の経済社会がサービス化、高齢化、自由化、情報化、グローバル化といった激しい変化にさらされている世紀転換期の現在において、消費者保護のための法制度についても大きな構造変化が見られる。それは、行政規制中心主義に基づく行政ルール重視から、事業者と消費者の民民関係に適用される民事ルールの重視へという変化である。ただし、事業者と消費者の情報力や交渉力の対等平等というたてまえの上に構築された伝統的民商法理論をそのまま民事ルールとして適用すると、消費者保護のための行政規制すらなかったコンシューマリズム以前の状態に逆戻りすることになる。現在の民事ルール重視は、消費者の実像を見据えて、消費者取引の実態に即したルールを新たに創造していくプロセスでもある。本論では、そのようなものとして、2000年に相次いで成立した消費者契約法と金融商品販売法を中心として、契約、消費者信用、高齢化、IT、住宅、競争の各分野における民事ルール整備の状況を概観する。そして、最後に、金融ビッグバンの進行に伴い、「消費者金融というサービス」と「消費者向け金融サービス」が融合して、「消費者金融サービス」として広く競争にさらされ、まずます分野横断的民事ルールや自主ルールが必要となることを指摘する。
- パーソナルファイナンス学会の論文
- 2001-11-30
著者
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