聴覚障害生への英語教員に求められるコミュニケーションの手段について : 聾学校中学部及び中学校難聴学級の英語教員へのアンケート調査を中心に
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概要
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聴覚障害生に英語を教える教員側からのアンケート調査と,中学時代に受けた英語の授業について聴覚に障害のある学習者自身を対象にしたアンケート調査から,聴覚障害生への英語の授業で必要なコミュニケーションの手段を分析調査した。アンケート調査の設問事項の中から,(1)聴覚障害についての認識,(2)英語の授業で利用するコミュニケーションの手段,(3)英語を担当する教員がコミュニケーションの手段を習得するに至った動機・場所・時期,の3点を基にしてコミュニケーションの方法が聴覚障害生に英語を教える上で重要であることを検証した。また,英語教員はこのコミュニケーションの方法を教員養成課程で習得したのではなく,聾学校への赴任や難聴学級を担当した後の教員研修などで習得していることが分かった。さらに,英語教員は「聞く」「話す」など聴覚に重きを置く英語の指導を,障害の状況や有無を問わずあらゆる生徒に教えるという状況も調査から検証された。これらの検証を踏まえて,教員養成の大学ではその養成課程のカリキュラムに聴覚障害に関する理解とコミュニケーションの講義や実習を組み込む必要性を提言する。
- 日本教科教育学会の論文
- 2005-09-20