地理科・歴史科・公民科から社会科への変革要件 : ドイツ連邦共和国バイエルン州の場合
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概要
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本稿では,社会科の境界画定のために,バイエルン州ハオプトシューレの地歴公三教科目改訂を分析検討した。1997年改訂は目標原理を国民意識形成から社会認識形成へ換え,内容原理を国家の地歴公領域による自国の実在的編成から地歴公領域の社会による自他社会の研究的編成へ換え,方法原理を既存の国家への同化から社会の対象化へ換える。そして,共同的価値を受容させる自国理解の教育を克服し,公共的決定の準備を促す自他社会研究の教育へと三教科目を転換させる。そのような今次改訂は,教科基盤を国家から社会に移し,権力化した無批判的政治的判断形成を脱して批判的政治的判断形成への脱権力化を開始するものとなっている。社会科への変革の最低要件とは,社会の相対化による疑問視において新たな形成の契機をつくる社会研究の教育に改め,先ずは間接的な批判的政治的判断形成を可能にすることであり,社会科学化としての脱権力化とまとめられる。
- 2004-06-30
著者
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