芸術統合型カリキュラムの構成原理に関する研究 : N. Goodmanの芸術認知理論を応用して
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概要
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次代の芸術科カリキュラムはいかにあるべきか。芸術教育は「芸術のための教育」でもなければ「芸術を通した教育」でもない。我々は対照的なこの両立場を乗り越えるべきだと考える。つまり,芸術世界の理解を前進させることは言うまでもなく,同時に芸術も含めた現実世界のパースペクティヴを拡大させる点にこそ芸術教育の意義があると見るのである。このような芸術教育を実現するため,我々は科学,言語,日常の知覚などと同様芸術も様々な意味作用を果たすシンボルと捉え,その認知機能に着目,諸芸術および芸術教科の統合を目指す。本稿の目的は,第一にN. Goodmanの認知理論に基づいて芸術統合型カリキュラムの基本理念を示すことにある。そして第二にカリキュラム構成の根幹をなす芸術統合の鍵を握る諸概念の仕組みを明らかにすることにある。今回の研究は,芸術教科の統合のみにとどまらず,種類の異なる認知システムごとに新たに教科を編成し直すという着想を含むものでもある。
- 日本教科教育学会の論文
- 1998-12-31
著者
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