中学校理科における評定および観点別評価の相関的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,中学校理科における観点別評価と評定の実態を明らかにするために行ったものである。平成5年度末に,指導要録に記入された理科の観点別評価と評定を収集した。調査対象となった生徒は,男子538名,女子535名の合計1073名である。その結果,以下の2点が明らかとなった。(1)「関心・意欲・態度」,「知識・理解」,「技能・表現」の観点については,生徒の80%前後が達成していたが,「科学的思考」では生徒の約65%しか達成していなかった。(2)評定と観点別評価の間の相関値を見てみると,評定と最も相関の高い観点別評価の項目は,どの学年でも知識・理解の観点であった。相関係数は,0.80から0.84と高い正の相関値を示した。教師は生徒の能力を多面的に評価しようとしているが,本研究の結果は,知識・理解と評定の関連性を強調するものになっている。生徒の学力を多面的に評価するために授業と評価を一体化させることが急務である。
- 日本教科教育学会の論文
- 1996-02-20
著者
関連論文
- 授業を創る 親子チャレンジ教室で理科好きに
- 2B07 子供が創り出す理科学習 : 見通しをもって活動する中で自己変容していく子をめざして
- 試験問題作成に関する大学生の自己効力感
- 試験問題作成に関する大学生の自己効力感の変化
- 学業成績に対する中学生の認知
- 中学校理科教員による評価・認定技法の認知と運用
- 観点別評価の視点からみた教師作成テスト内容に関する調査的研究
- 中学校の教師作成テストの実施目的に関する調査的研究
- 同画探索検査(MFFT)のパソコン版作成の試み
- 同一単元同時展開授業の実践 : CAI・パソコン通信を利用した学習空間の拡大
- 中学校理科における評定および観点別評価の相関的研究
- 中学生の熟慮性-衝動性と知的能力・学業成績の関係
- 中学1年生における教師作成テストと知能検査の相関的関係に関する研究
- 1A-08 とべ動物園と連携した教材づくり : 社会教育施設を活用できる教員養成を目指した大学・動物園連携(教員養成,一般研究発表(口頭発表))