音楽科におけるカリキュラム構成単位としての「題材」概念の考察
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概要
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本小論では,音楽科においてカリキュラム構成単位として「題材」という用語を使うようになったのはなぜか,またそれはカリキュラム構成単位の用語としては適切なものか,ということを問題にした。そこでまず「単元」の歴史を概観し,次に我が国の音楽科教育の変遷での単元や題材の扱い方を見ることによって,これらの用語がどのような概念で使われていたかを探った。結果は次のように要約される。(1)音楽科においてカリキュラム構成単位として「題材」という用語を使うようになったのは,戦後の経験主義教育への批判,反省が概拠になっている。(2)カリキュラムの構成単位としての用語には,教科の側面と学習者の経験を思考過程の中で統一・統合し,まとまりのある思考をもたらすような概念を備えていなくてはならず,「題材」という用語にこのような概念を持たせるには無理がある。
- 日本教科教育学会の論文
- 1990-01-10
著者
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