小学生の教授体験についての実験的研究(II) : 音楽享受におけるあらわでない反応行動の因子構造をとおして
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
音楽教育において教師は,学習者の側に生じる音楽に対する音楽的意味や音楽によってひき起されるあらわでない反応行動を的確に把握する必要がある。これらを客観的に観察,測定する一方法としてはC.E.オスグッドらによるSD法の援用が考えられるが,そのためには音楽の特性に適った固有の新しい尺度を構成しなければならないと思われる。前稿では,この新しい尺度構成のために小学生を対象として,いろいろなジャンルの音楽を享受体験させることによって生じる感じを形容詞または形容動詞の形で言語化させ,抽出された言語のうちで一般性と独立性の高いものに対してそれぞれ反対語を選定するごとによって47対の両極性の反対語対より成る新しい尺度を見い出したことを報告した。本稿は前稿にひきつづいて,それらの尺度に基づいて音楽的意味や音楽によるあらわでない反応行動の因子を抽出し,本研究の目的に適った偏らない評定尺度を構成することを試みた結果の報告である。
- 日本教科教育学会の論文
- 1986-08-31
著者
関連論文
- 小学生の享受体験についての実験的研究(III) : 音楽享受における情動的意味体系をとおして
- 音楽鑑賞教育における享受に関する哲学的研究
- 小学生の教授体験についての実験的研究(II) : 音楽享受におけるあらわでない反応行動の因子構造をとおして
- 小学生の享受体験についての実験的研究(I) : 音楽享受における感じの言語化をとおして