教員養成と言語教育
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概要
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実際の教授・学習活動の多くは教育目標に即した言語活動を介して行なわれる。従って教師は児童・生徒の世界把握に寄与する言語活動の構造と機能を理解する必要がある。世界把握は教授主体と学習主体の身体的存在を前提とする。人称代名詞の構造はその基本構図で,主体と客体の相互通話は「相貌的知覚」を前提とする。世界把握が主・客融解から分化・発展してくる過程の第1は,心理的には概念が形成され,言語的には名が語に変る段階である。第2は可換的相互視点が成立するまでの過程で世界把握に様相が加わり始める段階である。第1の様相は知識的様相で,言語的には命題に法的語句が加わるものである。第2の様相は義務的様相で行動に社会的制約が加わり,それが言語的に反映されるものである。第3の様相は芸術的様相で,言語的には命題に修飾語句が加わるものである。以上のような言語事実は児童・生徒の世界把握を助ける教師の基本的教養の一部をなそう。
- 日本教科教育学会の論文
- 1978-10-31