重度知的障害者が求める地域生活支援の視点とは : パーソン・センタード・プランニングにおけるアセスメントの質的分析から
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概要
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本稿の目的は,重度知的障害者の地域生活における「希望」と「困難」を明らかにすることによって,重度知的障害者が求める支援の視点を提示することである.そのため,パーソン・センタード・プランニングを実践するグループホームの居住者を対象とした個人将来計画に支援職員が記述したアセスメントを,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを参考に分析した.居住者の「希望」の内容は,〔生活の楽しみ〕〔経験の幅〕〔人間関係〕〔自己管理と自己選択〕〔支援者への要求〕の5点に分類された.一方,居住者の「困難」の内容は,〔生活のリズム〕〔居住者同士の関係〕〔支援者との意思疎通〕〔地域で肯定的にとらえられない行動〕〔生活管理〕の5点に分類された.以上の分析結果から,重度知的障害者の地域生活における「希望」と「困難」は,密接な関係にある.したがって重度知的障害者が求める地域生活支援の視点とは,「希望」の実現に向けて,「困難」を踏まえ,地域生活の可能性を追求した個別支援を目指すことである.
- 2009-02-28
著者
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