児童期・青年期に死別経験をした青年の悲哀過程 : 悲哀の課題とソーシャルサポートとの関わりについて
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概要
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本稿は,個々の経験に焦点をあて,どのような時期に,だれから,どのような機能のサポートが提供されたのか,ソーシャルサポートとどのように関わり悲哀過程を過ごしてきたのかを6人の過程について明らかにすることを目的としたものである.児童期・青年期に親を亡くした青年6人を対象に半構造インタビューを行った.分析は,だれから,どのような機能のソーシャルサポートが提供されたか,逐語録を基に時系列に沿って出てきたソーシャルサポートを整理した後,そのソーシャルサポートが悲哀過程にどう影響したのかという視点をもち,Worden(1996)の4つの悲哀の課題を考察する際の軸に取り入れ,個々のプロセスを考察した.その結果,以前からもっていたソーシャルネットワークや新たに出会ったソーシャルサポートを生かし悲哀の課題に取り組みながら,悲しみとともに生きてきた個々の過程が考察された.しかし,自分がもつ身近なソーシャルネットワーク(家族や友だち)からは悲しみと正面から向き合うために必要であったソーシャルサポートが得にくい現状があったことが明らかとなった.また死生学を受講したことが悲哀の課題と向き合うことを促進していたことから,死生学教育の必要性も示唆された.
- 2008-05-31
著者
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